「イヤホンを長時間使っていると、耳の中にカビが生えることがある」
そんな少し怖いニュースを見かけました。
いわゆる「耳カビ」と呼ばれる症状です。
僕自身、仕事や移動中にイヤホンを使うことがあります。家では妻も、家事をしながら音楽や動画を楽しむためにイヤホンを使っています。
そのため、これは決して他人事ではありません。
とはいえ、耳カビが怖いからといって、カナル型イヤホンをすべてやめる必要はないと思います。
大切なのは、長時間つけっぱなしにしないこと。そして、使用する場面によってカナル型とオープンイヤー型を使い分け、何も装着しない時間を作ることです。
「耳カビ」とは?
「耳カビ」は正式な病名ではなく、一般には外耳道真菌症と呼ばれる症状を指します。
耳の穴から鼓膜までの外耳道で、真菌、つまりカビが増殖して炎症を起こした状態です。
耳のかゆみや痛み、耳だれ、耳が詰まったような感覚などが現れ、症状が進むと聞こえにくさにつながることもあります。
日テレNEWS NNNでも、湿気の多い時期にイヤホンを長時間使用すると、耳の中が蒸れて外耳道真菌症のリスクが高まる可能性があると報じられていました。
外耳道の皮膚は薄く、耳かきや綿棒による刺激でも傷つきやすい部分です。そこに汗や湿気、長時間の密閉などが重なると、耳のトラブルにつながりやすくなります。
毎日のようにかゆみが続く、痛みや耳だれがある、耳垢の色や状態がいつもと違うという場合は、自分で耳掃除を続けるのではなく、耳鼻咽喉科を受診してください。
夏にイヤホンの蒸れを感じる人は多い
NTTソノリティが2026年に実施した調査では、夏のイヤホン・ヘッドホン着用時に、汗や蒸れによる不快感を経験した人は59.4%でした。
具体的な症状では、
- 耳のかゆみ・ムズムズ感
- 耳の中の蒸れや熱さ
- 耳の痛みや圧迫感
- 耳の詰まり感
などが挙げられています。
また、44%がイヤホンを長時間つけっぱなしにした経験があり、20.5%はイヤホンをほとんど清潔にしたことがないと回答しています。
この調査は、オープンイヤー型製品を販売するNTTソノリティによるものです。そのため、調査結果だけを見て「オープンイヤー型なら耳カビを防げる」と結論づけることはできません。
それでも、イヤホンを長時間使用する人の多くが、夏場の蒸れやかゆみを感じていることは、使い方を見直すきっかけになります。
カナル型イヤホンが悪いわけではない
耳の穴にイヤーピースを入れるカナル型イヤホンは、耳を密閉しやすい構造です。
そのため、暑い季節に長時間使用すると、汗や湿気がこもりやすくなります。
だからといって、カナル型イヤホンそのものが悪いわけではありません。
カナル型には、周囲の音を遮りやすく、電車や飛行機の中でも音を聞き取りやすいというメリットがあります。ノイズキャンセリング機能を使えば、騒がしい場所で必要以上に音量を上げずに済む場合もあります。
厚生労働省の情報でも、騒音環境ではノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンやカナル型イヤホンが、聴取音量を抑えるために有用とされています。
問題はカナル型を使うことではなく、必要のない場面でも一日中つけ続けてしまうことです。
自宅や家事中はオープンイヤーという選択肢
耳の蒸れが気になる人にとって、選択肢の一つになるのがオープンイヤー型イヤホンです。
オープンイヤー型は、カナル型のように耳の穴をイヤーピースで密閉しません。
そのため、
- 耳の穴をふさがない
- 周囲の音が聞こえやすい
- 子どもに話しかけられても気づきやすい
- 家事をしながら使いやすい
- 耳の中に熱や湿気がこもりにくい
といった特徴があります。
我が家でも、妻が家事や育児をしながら使うイヤホンとして、オープンイヤー型を購入しました。
料理や掃除をしながら音楽を聴いていても、子どもが話しかけてきたときにそのまま会話できます。イヤホンを何度も着け外しする必要がないため、家の中での「ながら聴き」と非常に相性がいいと感じています。
BoseとShokzを比較し、最終的に我が家がどちらを選んだのかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
BoseとShokzのオープンイヤーイヤホンを実際に比較した結果
カナル型とオープンイヤー型は用途で使い分ける
どちらか一方ですべてを済ませるのではなく、使用する場面によって使い分けるのが現実的です。
| 使用する場面 | 向いているタイプ |
|---|---|
| 電車や飛行機など騒がしい場所 | ノイズキャンセリング付きカナル型 |
| 音楽に集中したいとき | カナル型 |
| 家事や育児中 | オープンイヤー型 |
| 在宅勤務やオンライン会議 | オープンイヤー型 |
| 散歩や軽い運動 | オープンイヤー型 |
| 耳にかゆみや痛みがあるとき | イヤホンを外し、症状によっては受診 |
僕自身も、電車の中ではノイズキャンセリング付きのカナル型、自宅や周囲の音を聞きたい場面ではオープンイヤー型という使い分けがよいと考えています。
カナル型を完全にやめるのではなく、耳を密閉する必要がない時間をオープンイヤー型に替えるイメージです。
オープンイヤーでも「耳を休める時間」は必要
注意したいのは、オープンイヤー型に替えれば、何時間使っても問題ないわけではないことです。
耳を休めることには、二つの意味があります。
一つは、耳の穴をふさがず、蒸れや圧迫から解放すること。もう一つは、音そのものを聞かない時間を作ることです。
オープンイヤー型は耳を密閉しないため、前者には役立ちます。しかし、音を長時間聞き続ければ、聴覚への負担は残ります。
厚生労働省や日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、イヤホンを1時間連続して使用した場合、10分程度の休憩を取ることが案内されています。音量についても、最大音量の60%以下が一つの目安です。
オープンイヤー型を使っているときも、定期的にイヤホンを外し、無音の時間を作ることが大切です。
耳の蒸れを減らすために見直したいこと
イヤホンの種類を替えるだけでなく、日頃の使い方も見直しておきたいところです。
長時間つけっぱなしにしない
1時間程度を目安にイヤホンを外し、耳を換気します。
会議や作業が続く場合も、休憩時間には一度外すようにします。
お風呂や運動の直後に使わない
耳や髪が濡れた状態でカナル型イヤホンを装着すると、湿気がこもりやすくなります。
汗や水分を拭き、耳の周囲が乾いてから使う方が安心です。
イヤホンを清潔に保つ
イヤーピースや耳に触れる部分には、皮脂や汗、耳垢などが付着します。
使用後に乾いた柔らかい布で拭き、製品の説明書に従って定期的に手入れします。
水分が残った状態で充電ケースに入れるのも避けた方がよいでしょう。
かゆくても耳を触りすぎない
耳が蒸れてかゆくなると、綿棒や耳かきで掃除したくなります。
しかし、耳を触りすぎると外耳道の皮膚を傷つけ、かえって炎症を起こしやすくなります。
かゆみや痛みが続く場合は、自分で何度も耳掃除をせず、耳鼻咽喉科に相談してください。
まとめ|イヤホンをやめるのではなく、耳をふさぐ時間を減らす
耳カビのニュースを見て、カナル型イヤホンを使うこと自体が怖くなった人もいるかもしれません。
しかし、カナル型には、遮音性やノイズキャンセリング、音質などの大きなメリットがあります。
大切なのは、カナル型かオープンイヤー型か、どちらか一方だけを選ぶことではありません。
電車や音楽に集中したいときはカナル型。家事や育児、在宅勤務中はオープンイヤー型。そして、定期的に何も装着しない時間を作る。
使用する場面に合わせて使い分ければ、イヤホンの便利さを保ちながら、耳を密閉する時間を減らせます。
耳をふさがないオープンイヤー型が気になっている方は、実際に我が家で比較したBoseとShokzの記事も参考にしてください。
BoseとShokz、オープンイヤーイヤホンを選ぶならどっち?
※本記事はイヤホンの使い方に関する一般的な情報をまとめたもので、病気の診断や治療を目的としたものではありません。耳のかゆみ、痛み、耳だれ、聞こえにくさなどが続く場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。



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