仕事で昇進を目指す人と目指さない人の違い

ライフスタイル

私は2006年からIT業界でエンジニアとして働いています。何度か転職もしたので、大手からベンチャー企業まで全く社風の異なる会社も経験しました。

新卒で入社した会社は昔ながらの企業で、いわゆるブラック企業と分類される企業だったと思います。今でこそマネージャーにならなくてもエンジニアとして技術を追求し、マネージャーと同等の給料がもらえるテックリードなどの役職がある企業も増えたと思います。

しかし私が働いていた企業では、給料を上げるには係長、課長、課長代理、部長と少しづつ役職を上げていく以外の選択肢はなく、ただただ昇進のことだけを考えて日々業務を行っていました。

幸いにして、20代後半で私は係長になりました。同期の中でもその年に係長になれたのは数人だけだったためとても嬉しかったことを覚えています。

それから転職をすることになるのですが、大手からの転職ということもありすぐにリーダーのポジションに就くことになりました。そこからは経歴や経験からマネジメントを担当することが多くなり、30代後半となり、現在は自社のSaaSプロダクトを開発する開発部の部長となりました。

ただがむしゃらに昇進を目指した時代

若い頃は心のそこから昇進したいと思っていました。「先輩より自分の方ができる。しかしなぜ先輩が先に昇進するのか」「どうやったら私は昇進できるのか」と本気で悩んだ時期がありました。昔ながらの企業だったため年功序列のせいだと当時は悔しい思いでしたが、今思えば未熟だったことは間違いありません。

何をすればいいのか、どうやったら昇進できるのか、答えはわからないままただひたすら目の前の仕事で成果を出すことを考えました。そうやってがむしゃらに頑張ったからこそ、昇進できることになった時はついに来たかと心の底から嬉しく思えたのだと思います。

マネージャーが不足する時代

転職して以降は、昇進を目指すということは無くなりました。基本的に役職がついた状態で転職をしたり、圧倒的なマネージャー不足によりすぐにマネージャーの役職に就くようになりました。

私は特に不満を感じているわけではありません。今となってはもう開発に戻ることの方が難しくなっていると思います。私はこれまでの経験と能力を活かして私の役割を全うしなければいけないと思っています。

マネージャーは非常に辛い仕事です。そのため成り手も少なく簡単には替えは効きません。辛くなればなるほど、マネージャーは転職します。そしてその辛い状況を目の当たりにして、誰がマネージャーになりたいと思うでしょうか。

一方で、なりたいと思ってなれるポジションでもありません。人がいないからといって誰でもいいというわけではないのです。そのためいつまで経ってもマネージャーが増えることはありません。

昇進を避ける人が増える背景とその理由

近年、昇進を避ける人が増えているという現象が見られます。一方で、昇進にこだわる人々も依然存在します。なぜ最近は昇進を望まない人が増えているのでしょうか?昇進を避ける人が増える背景とその理由について考察してみましょう。

1. ワークライフバランスの重視:
近年、多くの人々がワークライフバランスを重視する傾向があります。長時間労働や過度な責任を伴う昇進は、仕事とプライベートの調和を妨げる可能性があります。そのため、ストレスや疲労を避けるために昇進を選ばない人が増えているのです。

2. 個人の幸福と充実の追求:
昇進にこだわる一方で、最近は多くの人々が「幸福」と「充実感」を追求する傾向があります。昇進による責任増やストレスの増加によって、自身の幸福や充実感が損なわれる可能性を感じる人々もいます。そのため、昇進を避けて現状の幸福を保つ選択をする人が増えているのです。

3. 職務内容の重要性の変化:
一昔前と比べて、職務内容の重要性や評価基準が変化しています。昇進による役職や地位が、個人の成長やキャリアにおいて必ずしも重要ではなくなったという現実があります。一部の人々は、昇進よりも仕事の内容ややりがいを重視し、それによって充実感や満足感を得ることを選択しています。

4. ワークプレースの多様化:
現代の多様なワークプレース環境において、昇進に執着する必要性が相対的に低くなったことも、昇進を避ける人が増える一因と言えます。従来のような階層的な組織構造に固執せず、フラットな組織やプロジェクトチームに所属することで、成果や能力に基づいた評価や報酬体系が確立される場合があります。そのため、昇進よりも自己成長や専門性の向上に注力する人々が増えているのです。

5. 仕事以外の価値の追求:

昇進にこだわらない人々は、仕事以外の価値や興味に重きを置く傾向があります。自己実現や趣味の追求、家族や友人との時間を大切にすることで、豊かな人生を築こうとするのです。昇進による責任や時間の制約は、これらの要素とのバランスを崩す可能性があるため、昇進を避ける人々が増えているのです。

結論:
昇進を避ける人々が増える背景には、ワークライフバランスの重視、個人の幸福と充実の追求、職務内容の重要性の変化、ワークプレースの多様化、仕事以外の価値の追求など、さまざまな要素が絡んでいます。昇進にこだわらない選択をする人々は、自身の幸福と充実感を追求し、より自由なライフスタイルを実現することを目指しています。昇進に固執するかどうかは個人の価値観や目標によって異なるため、自身の人生設計や幸福の定義を見つめ直すことが重要です。

昇進するメリットとデメリットについて

昇進を望まない人が増え、マネージャーが不足しているのは事実です。しかしそんな時代だからこそマネージャーを目指すメリットがあると言えるでしょう。当然デメリットもあるわけですが、マネージャーに限らず、どんな仕事もメリットがあり、デメリットがあります。メリットがデメリットを上回る時、またデメリットを乗り越えることができるのであればマネージャーを目指すのもありかもしれません。

メリット:

  1. 職務上の成長: 昇進により、より上位のポジションや責任を担う機会が与えられます。これにより、新たなスキルや知識を習得し、職務上の成長が期待されます。
  2. 収入の向上: 昇進に伴い、通常は報酬や給与が増えます。より高いポジションに就くことで、経済的な報酬を享受することができます。
  3. 影響力とリーダーシップの機会: 上位のポジションに就くことで、より多くの人々に対して影響力を持ち、リーダーシップの機会が増えます。他のメンバーや部署の方向性を指導し、組織に対して影響力を行使することができます。

デメリット:

  1. 責任の増加: 昇進により、責任も増える傾向があります。新たなポジションでは、より多くの業務や決定を担当し、その結果に対して責任を負う必要があります。
  2. ストレスとプレッシャー: 上位のポジションでは、より高い期待や厳しい要求が存在します。ストレスやプレッシャーが増え、仕事とプライベートのバランスを取ることが難しくなる場合もあります。
  3. ワークライフバランスの損失: 昇進により、仕事の時間や労力が増えることがあります。時間の制約や優先順位の変化により、プライベートな時間や活動に制約が生じる可能性があります。
  4. 技術的な専門性の喪失: 昇進に伴い、マネジメントやリーダーシップの役割が増えるため、専門的な技術や知識に注力する時間や機会が減少する可能性があります。

昇進のメリットとデメリットは個人や状況によって異なるため、自身の目標やバランスを考慮し、よく考えて判断することが重要です。それぞれの要素をバランスよく評価し、自身のキャリアパスや幸福に対する優先順位を明確にすることが大切です。

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