「ダサい!」
最近の小学生がよく口にするこの一言に、戸惑った経験のある親御さんも多いのではないでしょうか。
服装、持ち物、行動… どんなものに対しても使われるこの言葉。
でも実は、「ダサい」は単なる見た目の批判ではなく、子どもの中にある“安心感”や“仲間意識”と深く結びついた表現なのです。
今回は、小学生が「ダサい」と感じる背景と、親ができる3つの関わり方について解説します。
「ダサい」は“浮いている”というサイン
小学生の世界では、「みんなと同じ」が安心材料。
そのため、“自分たちの感覚と違うもの”を「ダサい」と表現することで、自分の居場所を守ろうとする心理が働きます。
たとえば:
- ちょっと個性的な服 → 「ダサい!」
- 親世代のデザイン → 「古くさい=ダサい」
つまり「ダサい」という言葉の裏には、違和感・不安・仲間から外れたくないという気持ちが隠れているのです。
親ができる3つの接し方
① 「ダサい」の理由を聞いてみる
まずは、「どこがダサいと思ったの?」と落ち着いて聞いてみましょう。
頭ごなしに否定するのではなく、子どもの感じている価値観や視点に耳を傾けることが大切です。
その中に、「友達の多くがそう言っていた」「みんなと違っていて恥ずかしかった」などの本音が見えてくるかもしれません。
② 多様な価値観を話題にする
「これはダサい・おしゃれ」だけで終わらせず、「人によって好みは違う」という前提を家庭内で共有しましょう。
たとえば:
- 家族で好きな服や色を話し合う
- 海外の文化やファッションに触れる機会をつくる
こうすることで、「違っていても大丈夫」という感覚を育てることができます。
③ 「自分の好き」を大切にする姿勢を見せる
子どもが「これは自分が好き」と思っていることを、家庭内でしっかり肯定してあげることも重要です。
親自身が「私はこれが好き」「人と違ってもいいよね」と自然に話すことで、自分らしさを肯定する雰囲気が家庭の中に生まれます。
まとめ:「ダサい」には子どもの成長のヒントが詰まっている
小学生の「ダサい」という言葉は、自分らしさと他人との距離感を探っているサインでもあります。
その裏にある不安やこだわりに気づき、丁寧に対話していくことが、子ども自身の自己理解と、親子の信頼関係の深まりにつながっていきます。
大切なのは、言葉だけを責めるのではなく、その背景を一緒にひも解いていく姿勢です。
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